皆さんの働く職場の雰囲気はいかがでしょうか?
「上司・部下間の風通しが良く、言いたいことが言える環境で、みな生き生きと働いています!」と自信を持って言えるでしょうか?
現実は、なかなか厳しいですよね。
もしかすると「職場の雰囲気が悪い…」と感じて離職を考えている従業員も中にはいるかもしれません。
働くメンバーは、一人ひとりが様々な目標や課題を持ち、更には色んな感情にも左右されます。
日々、問題や課題は発生するものと理解し、それに気づき対処することが重要だと感じます。
今回は、雰囲気が悪い職場の特徴・原因やその改善方法について、「マズローの欲求5段階説」の視点から検討していきます。
目次
雰囲気の悪い職場の特徴
雰囲気が悪い職場の特徴として、以下の5つを挙げてみました。
①空気が重い
なんとなく、その空間にいるだけで気分が落ちてしまうという経験はありませんか?
照明が薄暗い、建物や備品が古く手入れされていない、部屋の清潔感がない、静かすぎるなどの部屋は、無意識に気持ちが沈み、悪い雰囲気を感じてしまうのかもしれません。
②悪口や批評が多い
従業員同士の陰口・悪口などのマイナスな発言は、職場の雰囲気を悪くします。
また、一方的な批判も、従業員を萎縮させかねません。
③会話がない
従業員同士の会話がないシーンとした職場は、張りつめた雰囲気を作ってしまいます。
必要最低限のコミュニケーションしかしない組織は、業務における課題を発見したり、新たなアイデアが生まれたりするのを妨げてしまうでしょう。
④風通しが悪い
従業員の声に耳を傾けない職場は、従業員のモチベーションを下げてしまい、業務の取り組み方も受動的になります。
自分の意見を反映してくれない組織と分かると、その従業員は離職を考え始めてしまいます。
⑤上司・同僚の雰囲気が悪い
常にイライラしていたり暗い雰囲気だったりする上司や同僚に出会ったことはありますか?
従業員はそのような人に対して声をかけることを躊躇してしまい、それぞれの業務の進行が滞ることに…。
以上5つの例を挙げてみましたが、あなたの身の回りで当てはまるものはありますか?
友人関係であれば、上記のような雰囲気を感じたグループや仲間と距離をとった付き合いをすれば良いですし、自分の居心地の良い距離感で接していけば良い、と考えますが、職場ではそうはいきません。
相性の良し悪しに関わらず、同じ目標を見据え動き出せる集団となるには、この問題をどのように解決していけば良いのでしょうか。
原因と対策を考察していきたいと思います。
原因
雰囲気が悪い職場を作り出す原因は何でしょうか?
- 失敗を認めない雰囲気
- 労働環境が劣悪
- 仕事が忙しすぎる
- トップダウンが強すぎる(※必要な場もあるが、状況によって軋轢を生むことがある)
- 役割分担が曖昧
- 人事制度が曖昧
- コミュニケーションがとれない・とる時間がない
以上のような劣悪な労働環境(業務量過多、人員不足、残業過多)などが原因となり、「コミュニケーションをとる余裕が生まれない」、「他者を認める余裕がない」など、原因は複合的に絡まっています。
改善策 マズロー理論を活用してみる!?
これらを解決するには、コミュニケーションをとる時間を作り、それぞれの課題と向き合うこと、という解決方法も重要ですが、心理学者マズローが説く欲求5段階説に社内問題を当てはめてみるのはいかがでしょうか?
本当の原因は何か?コミュニケーションを取れば解決出来るのか?
人間には個性があるように、会社にも個性があります。
それぞれの欲求を理解し、個性を尊重し、それを叶えていくことで、会社の目標実現につなげていきましょう。
マズローの欲求5段階説(マズローの欲求のピラミッド)とは?
参照:A・H・マズローの心理学_EARTHSHIP CONSULTING
人間の動機ないし欲求に力点置いた人格理論
- 生理欲求 ⇒ 日常生活を送るための基本的・本能的な欲求(睡眠欲・食欲など)
- 安全欲求 ⇒ 危険を回避し、安全・安心な暮らしを求める欲求(保険、経済的危機、年金など)
- 所属と愛情表現 ⇒ グループに属し、仲間を求める、愛情を求める欲求(人間関係、帰属意識 など)
- 自尊欲求 ⇒ 他者から認められたい 尊敬されたい 尊重されたい という欲求(承認欲求、評価、地位 など)
- 自己実現欲求 ⇒ 自らの内にある可能性を実現する 自分の使命を達成 人格内の一致・統合をめざす(人間だけの特権欲求、自我、など)
五つの欲求を階層的に捉えている。自己実現欲求はその最高段階に位置づけられ、これは、より低次の欲求が満たされて初めてその人にもたらされるものと考えられている。
画像引用元:マズローの欲求5段階説の意味とは_Direct Communication
参考:マズローの欲求5段階説の意味とは, わかりやすく解説_Direct Communication
このマズローが提唱した欲求5段階説をヒントに、職場の雰囲気を悪くする原因にはどのような欲求が満たされていないのか考察してみましょう。
例1:【仕事が忙しすぎる】
原因のひとつである、「仕事が忙しすぎる」を例にしてみましょう。
「①生理的欲求」が満たされていません。
- 休憩時間が確保出来ていない(食欲)
- 睡眠時間が確保できていない(睡眠欲)
最低次の欲求が満たされていません。この状況で、「会社の目標達成に向けて…」という話をされても、個人の能力は発揮できないことが分かります。
改善策:
- 業務量の再調整をしてもらえるよう、上司や同僚に掛け合う。
- 休憩時間は必ず決められた時間を守り、デスクから離れて食事や仮眠をとる。
- チーム全体で定時退社を守る。
- 家に業務を持ち込まない。仕事のことを考えないようにする。
このように、業務への取り組み方や職場のルールを遵守するだけで、従業員一人ひとりに時間と心に余裕ができるのではないでしょうか。
例2:人事制度が曖昧
「④自尊欲求」に該当します。
1~3の段階をクリアした後、非常に重要な段階となります。
曖昧な評価(例えば、上司のお気に入り、ボーナス時期のみ営業成績が良い事が評価される、など)高度な欲求段階に位置する自尊欲求を満たすことが出来れば、会社にとって重要な戦力となる人材になるでしょう。
改善策:
- 経営陣や人事部は、透明性の高い人事制度を作る
- 上司は、従業員に現段階のレベルより少し高い目標を設けさせ、達成に向けてフォローする。
まとめ
雰囲気が悪い職場の特徴は主に5つ。
①空気が重い
②悪口や批評が多い
③会話がない
④風通しが悪い
⑤上司・同僚の雰囲気が悪い
このように職場を悪い雰囲気に作り上げている原因として、
- 失敗を認めない雰囲気
- 労働環境が劣悪
- 仕事が忙しすぎる
- トップダウンが強すぎる ※必要な場もあるが、状況によって軋轢を生むことがある
- 役割分担が曖昧
- 人事制度が曖昧
- コミュニケーションとれない・とる時間がない
など、不適切な労働環境にあると考えられています。
これらの問題を解決する手段として、マズローの欲求5段階説を活用した改善策を提案しました。
会社を作っているのはヒトです。ヒトが持つ欲求を段階的に、順に満たしていく事が、会社の欲求を叶える最大の近道だと感じました。
「急がば回れ」 日々の業務に追われる毎日かと思いますが、まずは、自社の職場の雰囲気を、欲求5段階説で分析してみてはいかがでしょうか?
メンバーが生き生きと働ける環境作りにお役に立てれば幸いです。
参考:
【雰囲気の悪い職場 変える方法】雰囲気の悪い職場を「気持ちのいい職場」に変える – Bing video
マズローの欲求5段階説を社員満足経営に活かす | 市川社会保険労務士事務所 (sr-consultant.net)
マズローの5段階欲求説から自分が仕事をする意味を考えてみた | Coaching Workshop.com (coaching-workshop.com)