毎月12日は「育児の日」だそうです。
「育児の日」は「神戸新聞」を発行する株式会社神戸新聞社が、社会全体で子育てについて考え、地域が一体になって子育てしやすい環境づくりに取り組むきっかけとなる日として制定したとのこと。
日付は「い(1)くじ(2)」(育児)と読む語呂合わせから毎月12日としたようで、毎月「育児の日」にはベビー・キッズ関連の商品やサービスの情報の発信が活発になっています。
定着の樹では、そんな「育児」にフォーカスしたお話を今回はしていきたいと思います。
仕事と育児の両立は、今や多くの企業が直面する重要課題です。
特に育児中の社員は、働き方やキャリアに悩みを抱えやすく、それが職場への定着率低下につながることも少なくありません。
一方で、柔軟な働き方や公平な評価制度を導入することで、育児中の社員が活躍し続ける環境を整える企業も増えています。
本記事では、企業が取り組むべき具体策や成功事例を交えながら、仕事と育児の両立がもたらす効果について考えていきます。
目次
1. なぜ今、仕事と育児の両立が問われるのか?
育児中の社員が直面する3つの課題
少子化と労働力不足が進む中、企業が育児中の社員をいかに支援し活躍を促すかは、単なる福利厚生の話ではなく、経営戦略の一環となっています。
特に育児休業から復職する社員は、以下のような課題に直面します。
キャリアロス: 育児休業中や復職後にキャリア形成が停滞する不安。
疎外感: 職場での役割が薄れることで感じる孤独。
収入減: 時短勤務やパート勤務への切り替えによる所得減少。
これらの課題を放置すると、社員が退職を選択するリスクが高まります。
優秀な人材を失うことは、企業にとって大きな損失であり、採用や育成コストの増加にもつながります。
2. 仕事と育児の両立を阻む壁とは?
職場環境と理解不足が生む課題
多くの企業が育児中の社員に柔軟な働き方を提供していますが、まだ十分とは言えません。
以下のような壁が、仕事と育児の両立を阻んでいます。
・フレキシブルな働き方が選べない職場: 制度があっても現場で活用しづらいケースが多い。
・育児への理解不足: 上司や同僚のサポートが不十分。
キャリアロスが職場全体に及ぼす影響
育児中の社員がキャリア形成に遅れを感じる「キャリアロス」は、社員のモチベーション低下を招き、以下のような影響を与えます。
・社員側: スキル不足を感じて仕事への意欲を失う。
・企業側: 高スキル社員を失い、チーム全体のパフォーマンスが低下する。
3. 企業が取り組むべき3つの具体策
仕事と育児の両立を支援するためには、課題解決に向けた具体的な施策が欠かせません。
ここでは、中堅企業や大企業の事例をご紹介します。
これらの取り組みをそのまま真似することが難しいかもしれませんが、中小企業にとっても参考となるポイントが多く含まれています。
ぜひ、自社に合った形で活用できるヒントを見つけてください。
1. 柔軟な働き方の提供
リモートワークや時差出勤の導入により、育児中の社員が仕事と家庭を両立しやすい環境を提供できます。
例えば、楽天グループ株式会社は社内託児所を設置し、社員が安心して働ける体制を整備。これにより復職率を95%以上に向上させました。
▼出典:楽天グループ株式会社 福利厚生
2. 評価制度の見直し
育児中の社員に対しても公平に評価される仕組みが必要です。
株式会社資生堂では短時間勤務者にも昇進の機会を与える制度を導入。
社員がキャリア形成を諦めずに働き続けられる環境を整えました。(4.で後述)
▼出典:日報アプリgamba_資生堂ショックに学ぶ「働き方改革」【女性活用はなぜ失敗するのか?】
3. メンターやキャリアコンサルティングの活用
東京都豊島区に本社を置くIT企業の株式会社テクノカルチャーでは、復職メンター制度を導入し、育児休業中の社員をサポート。
不安を共有しながらキャリア形成を進めることで復職率100%を実現しました。
▼出典:東京都産業労働局 家庭と仕事の両立支援ポータルサイト 取り組み事例3:株式会社テクノカルチャー
4. 配慮と公平性のバランスを考える
資生堂ショックに見る新しい働き方の模索
株式会社資生堂は、育児中の社員を「特別扱い」するのではなく、全社員に公平なシフトや業務分担を適用する方針を2014年に採用しました。
この発表によりメディアやSNSでは「資生堂ショック」と呼ばれ、社内外で賛否両論を巻き起こしましたが、以下の成果を生みました。
・育児中の社員も主要な業務を担い、キャリア形成の機会を得る。
・他社員との公平性が保たれ、職場全体の士気が向上。
この事例は、配慮と公平性をどう両立させるかという課題に、新たな視点を提供しています。
後に資生堂公式から、導入当初~現在までの状況についてコラムを公開しています。
こちらも合わせて読むことをおすすめします。
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「資生堂ショック」と 呼ばれた美容職社員の 働き方改革【前編】
「資生堂ショック」と呼ばれた 美容職社員の働き方改革 〜あれから10年〜 【後編】
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5. 成功事例から学ぶ企業のポイント💡
柔軟な働き方や公平な評価制度、キャリア支援は相互に作用し、社員定着率を高めるカギとなります。
また、資生堂のように配慮と公平性を両立させる視点も持つことが、職場全体の活性化に寄与します。
6. まとめ
仕事と育児の両立が企業に与えるメリット
仕事と育児の両立は、社員の働きやすさを追求するだけでなく、企業の成長にも直結する重要なテーマです。
定着率の向上や採用コストの削減を通じて、競争力を高める一歩として、具体的な施策を検討してみてはいかがでしょうか?
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