前回記事「「ほめる」とは」で紹介した「ほめる」を題材とした書籍「一人でも部下がいる人のためのほめ方の教科書 単行本 – 2019/7/10中村 早岐子 (著), 西出 ひろ子 (監修)」の中で「ほめちぎる教習所」についての記載がありました。
今回は、「ほめる」を徹底的に浸透させた南部自動車学校の成功体験を参考に、
「ほめる」をさらに探求していきたいと思います。
参考▷「「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方」加藤光一 [ビジネス書] – KADOKAWA
三重県の南部自動車学校は、ごく普通の厳しい指導をする自動車学校だった。
しかし、2013年に同業者からの反対意見にも負けず「ほめちぎる教習所」としてリニューアル。
「少子高齢化」「若者の車離れ」に逆行し、生徒数増加、卒業生の事故率減少という成果を出している。
「ほめる」を導入した背景
- 時代が変わった
- バブル時代の体育会系⇒ゆとり世代、叱られなれていない若者の増加
→厳しく叱ると泣きだす、途中でやめてしまう - 景気のいい場所⇒ダウントレンド市場(少子化、車離れ)
→近所の自動車学校へ通う事が通例、差別化が必須
- バブル時代の体育会系⇒ゆとり世代、叱られなれていない若者の増加
「ほめる」導入:成長を実感できる仕組み作り
- 「担任制の導入」
- 生徒の成長、得意・不得意を把握することができれば、生徒の個性に合わせた丁寧で責任ある指導が可能だと考えた
- 「ほめる」練習の導入
- 朝礼でロープレ
- 検定制度の導入
上記の導入背景は自動車学校だけではなく企業の現状と重なる点が多くあるのではないでしょうか。
「命に関わることは厳しく指導」「しっかり指導することで生徒の安全を守れる」という従来の考え方を覆すことは企業だけでなく従業員にも戸惑いがあったようです。
経営学的な「ほめる」効果を学び「ぶれない」信念で継続したことが成功への鍵となったと感じます。
[ 成功体験例 ]
多くの成功体験について記載がありますが、一部引用して紹介していきます。
- ベテラン指導員の変化
- 30年間厳しく指導することを実践していた60代ベテラン指導員の表情に変化
「練習でほめられても嬉しくない」と言っていた指導員が、
「練習と分かっていてもほめられると嬉しい」と笑顔で話すようになった
- 30年間厳しく指導することを実践していた60代ベテラン指導員の表情に変化
- 社員同士の会話が増え、交流増加
- 指導員のメンタルが安定
- 指導方法の共有・アドバイスなどを主体的に実践する光景が発生
- 業績アップ
- 社員同士の交流増加により、会社のパフォーマンスアップ
- 生徒数増加
- 免許合格率向上
- 卒業生事故率減少
[ まとめ ]
今回は「ほめる」を導入した背景、成功体験について紹介しました。
アンガーマネジメントやコーチングなど、ビジネスの場において感情をコントロールする手法は多数あります。
どの手法も、繰り返し実践し自分のものとして身に付けていく事が重要です。
今回の成功体験例からも「繰り返し実践」の重要性を学びました。
日本人は「察する」人種であり言語表現が不得手だということは周知の事実です。
どうしても「ほめる」練習やロールプレイングには、「不信感」や「うさん臭さ」の違和感を感じてしまうことは特性上仕方のない事だと、個人的に感じます。
しかし、行動をしなければ伝わりません。まずは苦手な「ほめる」を繰り返し実践してみませんか。
実践した暁には「30年間叱り続けた指導員」に起きたような変化が起きるかもしれません。本記事が、笑顔あふれる職場作りの参考になれましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。