セルフケア:自分で自分自身の面倒を見ること。自己療法。 ラインケア:管理監督者が、直属の部下に対して行う職場のメンタルヘルス対策 |
「部下のメンタルケアの具体策はどうしていますか?」
と問われ、答えられるでしょうか?
部下自身の個別事情や体調面の不調、さまざまな要因が複合し発生している可能性もあり、一例で答えることは困難だと思います。
今回は、部下のメンタルケアの要となる「セルフケアとラインケア」についてお話していきたいと思います。
上司としての責任
部下のメンタルケアにおいての上司が担う責任業務は「安全配慮業務」です。
部下の勤怠管理(労働時間の管理)や労働環境の安全に、上司は充分に配慮する必要があります。
しかし「労働環境は適正であり、部下の心身安全が確保されている」場合には、この責任は当てはまらないとも言えるでしょう。
「安全配慮業務」とは
部下の「心身の安全を確保できない」と予見・予測できる事態※を、
「会社として回避する手段」がある場合に発生する業務
※【例】部下の「心身の安全を確保できない」と予見・予測できる事態
・感染症が流行っている時期に体調不良であるにもかかわらず出勤している
・過剰な残業時間や業務負担
セルフケアの重要性
上司の責任範囲外とは言え「元気のない部下」や「やる気が感じられない部下」を放置することはできないですよね。
その場合は、セルフケアが充分にできているかを確認し、同時に上司である自分自身のセルフケアについても確認してみましょう。
職場のメンタルケアでは、セルフケア7割、ラインケア3割が良いとされています。
重要なセルフケアを部下の手本となる上司が率先して励むことが大切です。
「食べること」「寝ること」「遊ぶこと」ができていますか?
充分に出来ていない方は、意識して実践することをおススメします。
上司の余裕の無さ、機嫌の悪さは、職場の雰囲気に大きく影響すると言われています。
また、自身の心身不調に真っ先に気付き対処することができるのは「自分自身」です。
部下自身が「自身の不調」にいち早く気付くことができるためにも、上司として配慮することが大切ですね。
ラインケア実践のポイント
▷勤怠状況を確認する
出退勤時間・遅刻・早退・欠勤など、メンタル面の「黄色信号」を把握しやすいものです。
睡眠や生活の乱れだけでなく、職場に対する不安感、モチベーションの低下などの発見にも有効です。
一次的か、継続し発生しているのかなど、勤怠状況を確認することを習慣にしてみましょう。
▷挨拶
「最強」のメンタルケア手段であると言われます。
簡単なことですが、毎日の挨拶によって部下の表情・声のトーン・服装や髪型から感じる印象に変化を感じることができます。
変化を感じたら、挨拶に「よく眠れている?」「休みは遊べている?」などの言葉を添えてセルフケアを促してみましょう。
まとめ
管理職・上司として、部下のラインケアに熱心に取り組んでいる方も多くいらっしゃると考えます。
今回の記事で、職場内でセルフケアを浸透させることがラインケアにつながるという一例を紹介いたしました。
部下の変化に「気付く」、部下自身にセルフケアで心身を整えるよう「促す」。
そして、セルフケアでは難しい状況の時には「専門家につなぐ」という選択肢もあると安心ですね。
「食べる」「寝る」「遊ぶ」を上司の皆さんから充実させ、職場のメンタルケアの充実を目指してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献▷マネジメントはがんばらないほどうまくいく うつうつ部下をいきいき部下に変える世界一シンプルな方法(産業医:三宅琢 (著))