定着と一言でいっても、どんなことをすればいいのかというのが悩ましいところです。
定着とは、入社した人材が馴染み、戦力化すること。働く人が魅力を感じ、「ここで働き続けたい」と思える組織をつくることです。これは、すなわち組織開発の考えに近いといえます。
定着の樹では組織開発の考え方を取り入れ、施策を5つのカテゴリーに分けています。
(組織開発については「組織開発入門」中村和彦先生のものをベースに作成しています)
ハードアプローチ
ハードアプローチとは制度や業務の仕組みの改善や新規導入を行うものです。
1.条件の見直し
最もわかりやすいのが条件面の見直しです。お給料、休み、教育制度、その他福利厚生等を見直していくということです。中にはコストがかかる(しかも長期的に)ものもありますので計画的に行う必要があります。
2.仕事自体の見直し
取り組んでいる業務そのものを見直すことです。例えばDX化を推進して業務効率を上げる、アウトソーシングを活用する、などです。社内に知見を持った人材がいるケースは稀なため、外部ベンダーなどに相談しながら進めるとよいでしょう。
ソフトアプローチ
仕組みや制度ではなく、人材に直接はたらきかけるものがソフトアプローチです。階層ごとその課題も異なるため、分けてアプローチをします。
3.社員へのアプローチ:個人
若手社員、中間層に対するアプローチでは、面談やカウンセリングを行う、研修を行う、または任せる業務を変えてみる、などです。学校でのキャリア教育が進化した昨今では、企業側も長期的視点での育成を考えることがカギとなります。
4.社員へのアプローチ:管理職
一方、管理職については、マネジメント業務の支援をするような施策です。マネジメント手法について学ぶ研修、管理職向けの面談、そしてマネジメント、人材育成への取り組みを評価する仕組みの導入です。多くの管理職がマネジメントに悩んでいます。我流だけでなく、体系的に学ぶ機会を与えることも必要です。
5.組織コミュニケーションの活性
そして、これらに加えて行いたいのが、組織コミュニケーションの活性です。これは定着の施策の中で最も難しいものの一つです。そもそも企業が、組織としてどんなことを大切にしているか、何を目指しているかなどを明確にし、全体で一体感を作るチームビルディングに関わる分野です。ワークショップや日々のミーティングで、「組織の価値観」に触れるやりとりを行うことをおすすめします。
これらの要素があって、働きやすい環境が作られ、長期的な視点を持って働くことができるようになります。組織が活性化につながり、ひいては定着する環境作りにつながっていくのだと思います。
定着の樹の5カテゴリ
定着の樹では、この5つのカテゴリをラベルとして記事を分けていきたいと思っています。自社でできているところ、苦手なところを割り出して、それぞれのカテゴリから施策を学び、試してみていただければと思います。
また各カテゴリに対する研修やセミナー、コンサルティングサービスもご用意していますので、施策を行なってみたけれど、うまくいかない、伴走で支援してほしい、客観的な意見が欲しいなどの場合はご相談(初回無料)までお問い合わせください。