今回は、「ほめる」という言葉を深掘りし考えていきたいと思います。
「ほめる」とは 引用:デジタル大辞泉収録キーワード一覧 210770件目から210840件目 – コトバンク (kotobank.jp)より
- 人のしたこと・行いをすぐれていると評価して、そのことを言う。たたえる。
- 祝う。ことほぐ。
目次
「ほめる」を意識していますか?
この設問に、自信をもって回答する上司のみなさんはどのくらいいるでしょうか?
「もちろん意識している」「意識はしているが方法が分からない」「ほめる点を見つけられない」など、置かれている環境、立場によってさまざまなご意見が出てくることと想像します。
「ほめる」ことは、社内において効果的な行為なのでしょうか?
「ほめる」ことで得られる効果
- 社員のモチベーション向上
- 社内コミュニケーション活性化
- 人間関係の改善 など
参考▷マネジメントは「叱る」より「褒める」が効果あり!その根拠とすぐ使える効果的な褒め方 (unipos.me)
「ほめる」行為によるデメリット
- 自律心を阻害し「ほめられたい」に依存してしまう
- 「ほめられる」ことが目的となってしまう など
参考▷アドラー心理学が教える「人を褒めてはいけない」理由 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
「ほめる」=「良い行い」と結論づけるのは非常に難しいことだと考えさせられます。
しかし、デメリットで紹介しているアドラー心理学では「上からのほめる」行為を否定し、「横からの感謝」が人を成長させると説いています。
多くの部下は、上司から「ほめる」言葉をもらうことでモチベーションが向上すると考えます。
しかし、それを目的としてしまってはいないか、部下自身の自律心を阻害する「ほめ方」になっていないかについて考えさせられます。
「ほめる」ことに関する書籍より引用・紹介
- 参考▷一人でも部下がいる人のためのほめ方の教科書 単行本 – 2019/7/10
中村 早岐子 (著), 西出 ひろ子 (監修)
本書は、「ダメ出し上司であった著者」が「ほめる・認める・アドバイス」を実践した実例を紹介しています。 - ▷ほめ本 こころ通わすコミュニケーション前田安正 | 2020/3/25
本書は、元朝日新聞記者である著者が、若手編集者が「ほめて人を動かす」本発行のため作家とのやり取りや先輩とのコミュニケーションの中で「ほめる」について考えています。
<今回ご紹介した2冊の中で共通点に気づきました>
- 正論だけでは人は動かない
- 理屈や正論で責めても納得は得られない
- 「ほめる」ためには、観察・リサーチが重要
多くの上司のみなさんは「部下の行いがどのように影響するのか」「部下が仕事を滞らせる行為がなぜダメなのか」と、正論と理屈を伝えたくなると思います。
影響する関係先、部署、など全体を知らせることで、部下も自分の責任の重さを感じることでしょう。
しかし、「相手の存在を認める」「立場を尊重する」という相手への敬意が欠けていると、
正論や理屈だけでは人は納得出来ず、モチベーション低下につながってしまう危険があるようです。
まとめ
「ほめる」方法を紹介するものとして、さまざまな書籍やネット記事が存在しています。
多くの情報を見れば見るほど迷走してしまい、自分自身の「ほめる」を見失ってはいないでしょうか?
人は子どもも大人もほめられれば嬉しいものです。
中には苦手意識を感じる人もいるようですが、相手を認め、心からの「ほめる」をもらった人が怒り出すということは非常に特殊な状況だと思います。
視力検査で実施される円の欠けている箇所を見つけるように、人は欠点を見てしまうという本能があるようです。
本能に逆らうことは非常に難しく、「ほめる」という行為の難しさを物語っています。
まずは、目の前にいる部下をよく観察してみてください。